第1回 メンタルとは
こんにちは、辻です。みなさん、「メンタル」・「こころ」が大事と思っていても、非常に見えにくい部分ですし、触れることが出来ず、とても分かりにくいですよね。
そこで、スポーツ心理学では、メンタルを大きく2つに分けています。
1つは「その時の状態を示す心」というのがあります。例えば、大事なプレゼンの前に「不安だな」と思う、心の良くない状態や、お得意様から信頼を勝ち得て、自分らしく頑張れているぞ、と感じる心の良い状態です。
何かにとらわれることなく、自由で元気な心の状態を「フロー状態」といいます。
実は、この「フロー状態」を作り出す力・スキルもメンタルなのです。
自分自身の良い心の状態を自分の心で作ることの出来る、「心の力」の持ち主になりたいですね。
第2回 こころの力とは
皆さん、ごきげんよう。辻です。日々の生活の中で、自分らしく、いいプレー、いい仕事、いい演奏、いい暮らし・・・が出来ていますか? 自分らしいパフォーマンスを作る条件の一つに、「心持ち」のようなものがあるというのは皆さんお気づきですよね?
心の大きさや方向性が揺らがず安定して、また、固定観念に囚われず柔軟な心でいられるとき(フロー状態)、人はパフォーマンスを高めることができます。それには、色々と揺れ動く感情をコントロール出来るとか、イメージする力がある、ポジティブな物の見方が出来る、などの「こころの力」がとても重要です。
「こころの力」をトレーニングすることで、人間力を高め、豊かな人生を送りたいですね。
第3回 社会力とは
こんにちは、辻です。皆さん、何か壁にぶつかったとき、無理だ、大変だ・・・と思ってしまっていませんか? そのように思ってしまうと、事態は無理で大変な方向に向かっていってしまいます。
当然ですが、誰だっていつも自分の実力を発揮して、元気でいたいですよね。そんな心の「フロー状態」を作る力を「社会力」と呼んでいます。
自分や他人、そして時間などの「素材」のうち、さまざまな環境的な要因にとらわれず、逆にそれらを上手に使って、自分の機嫌を良くし、人生を豊かにしていく潜在意識です。この社会力を獲得することによって、日々の時間の質が向上し、パフォーマンスが上がり、ひいてはQOL(生活の質)が上がっていきます。
『辻メソッド』ではさまざまなところで「社会力」を紹介していますので、ぜひご注目ください。
第4回 コーチ力とは
ごきげんよう。ところで皆さん、「コーチ」といって何を思い浮かべますか?
最近だと、バレンタイン監督や、オシム監督、星野監督・・・昔のイメージだと巨人の星、星一徹など、色々なコーチ像があると思いますが、『辻メソッド』では、スポーツに限らず、人の「こころ」を元気にする「こころの力」を「コーチ力」と呼んでいます。自分の心の状態を良くする「社会力」に対し、「コーチ力」は自分だけではなくて、むしろ周りの人の状態をより良くしていく力なんですね。
「コーチ力」のない人が多いと、その組織やチーム、ひいては一人一人のこころの状態が悪くなってしまい、良いパフォーマンスを出すことが難しくなってしまいます。
今多くの企業やチームに研修をさせていただいていますが、その際、まずコーチ力とは何かと皆さんに考えてもらっています。ヒントは、広い意味で「コーチ力」とはコミュニケーションスキル、人のこころが分かることを指す、ということ。さあ、皆さんも考えてみてくださいね。
第5回 ライフスキルとは
皆さん、自分がなってみたいスポーツ選手はいますか?
イチロー、松井、タイガーウッズ・・・素晴らしい選手は沢山いますが、技術的なスキルは遺伝の要素も多いので、イチローのようなバッティングスキルを手に入れられると本気で思う人は少ないですよね。でも、彼らのような「人間力」だったら・・・?
実は人間力、すなわち、ライフスキルは、誰もがトレーニングによって身につけることが可能なんです。
スポーツの世界だけではなく、ビジネス、子育て、芸術、勉強など、ライフスキルがあれば一人ひとりがより良いこころを持って、素晴らしく輝ける。自分のこころを良くする「社会力」と、周りの人のこころを良くする「コーチ力」の両方を持った「ライフスキル」の高い人になって、良い仲間、良い組織を作り出しましょう。
ライフスキルをトレーニングする方法は『辻メソッド』でご紹介しています!
第6回 こころの影響因子とは
皆さん、「○○さえなければ、平常心でいられたのに・・・」「あのときの○○が自分を鼓舞してくれた・・・!」そんな経験はありませんか? 今回は、いよいよ、良い「こころ」の状態をどのように獲得していくかといった、『辻メソッド』の核心に入っていきます。
皆さんの心に影響する因子の1つは、「環境」です。天候や雰囲気など、スポーツの世界ではホーム or アウェイによって影響を受けたりすることもそうです。
2つ目は、「経験、起こったこと」。結果によって、私たちは揺らぎます。1打席目の結果によって2打席目が揺らいだり、ビジネスマンも、午前中の失敗により、午後までセルフイメージを小さくしてしまっている人たちがいるということなどです。
3つ目は「他人」です。他者の言動や態度によっても、自分の心に影響を受けます。今のセルフイメージも、過去から作られたセルフコンセプトもこの3つの影響をとても受けています。
まずはじめに、そのことを知り、認めること、それがトレーニングの第一歩です。ですが幸いなことに、自分のこころに影響する4つ目の因子があります。それが自分自身です。自分自身が自分のこころを作れる可能性にフォーカスし、注力していくのが、いわゆるメンタルトレーニング、『辻メソッド』なのです。
第7回 こころを自分で決めるとは
こんにちは! 皆さんの中で、「自分らしく生きたい」と思わない人はいませんよね?
ところが、自分の心を自分以外の「環境」「経験」「他人」に決めさせている人は意外に沢山います。
例えば、雨降りの中、遅刻しそうになって走っているとき。天候(=環境)や、先週も同様のことがあった記憶(=経験)や、直前のMTGを長引かせた上司(=他人)によって、心をイライラした状態に持っていくのはとてもたやすいからです。人のせいや何かのせいにする方が楽なんですね。
ところが、この「環境、経験、他人」は、自分ではどうすることも出来ません。雨が止むのも、先週起こったことを無しにするのも、上司が早く話を切り上げるのも、あなたには不可能ですよね?
実はスポーツの世界で一流と呼ばれる選手は「自分の心は自分で決める」と決意をするスキルを持っています。自分の心は自分がコントロールできるものに決めさせる、つまりすべての自分のパフォーマンスは自分が決めるのです。これは言い訳はできませんから、責任も伴いとても大変です。ですが、自分の心を自分で決めて、楽しく自分らしく生きる方法を選ぶことはとても実り多いものです。
『辻メソッド』で、あなたも真に自分らしい人生を生きませんか?
第8回 自分素材とは
皆さん、「自分の心を自分で決める」ということ、実践できていますか?
難しいという方に大きなヒントとして、今日は心を自分で決めるための「自分素材」についてお話します。1つは「思考」、考え方または意識とでも言いましょうか。2つ目に「言葉」、言葉は「こころ」を決める、育てます。3つ目は「表情」、何かが起こった心の結果であるばかりか、実は「表情」こそが、心を作っています。最後は「態度」、私たちはすぐ状況や感情に直結した態度に出てしまいますが、逆に態度は自分の心を決める側面もあるのです。
この4つを、自分の心のため、自分らしさ、パフォーマンス、人生のために大いに使おうというのが、『辻メソッド』の考え方です。選択肢はたった二つ。ポジティブかネガティブか。
「思考」「言葉」「表情」「態度」をポジティブにするか、ネガティブにするかを、「自分で選べる力」、これが「社会力」であり「メンタルタフネス」だというふうに考えています。
ぜひ、自分素材を意識して、ハイパフォーマンスで一年を締めくくりましょう。
第9回 ポジティブシンキング
ごきげんよう。私たちは皆、スポーツでも仕事でも結果重視の世界に生きていますが、心まで結果に左右されてはいませんか?
自分らしく、ハイパフォーマンスが出せる「フロー状態」を作るために最も大切なのは、「考え方 thinking」です。
心の状態は、外部の状況が作り出すのではなく、本人の心、すなわちポジティブに考えるのか、ネガティブに考えるのかによって違ってきます。実は、「ポジティブシンキング」は、結果重視の思考の中には生まれないのです。
元サッカー選手の中田英寿さんは「結果より変化」を大切にしていたポジティブシンキングの実践者でした。前半で何対何で負けていようが、その結果よりも、前半中のプレーで「自分はどう変化したのか」「成長したのか」「学んだのか」「学習したのか」という「変化を見る目」を養っていた彼は、揺らぎや、囚われがない状態で、後半のプレーにに臨むことができました。これは、結果が大事だからこそ、結果に振り回されるのではなく、変化を大事にする思考法です。
皆さんも日々の生活の中で、自分自身の変化を見つける視点を身につけて、ポジティブシンキングを実践してみてくださいね。
第10回 ポジティブシンキング-2
皆さん、ポジティブシンキング、実践していますか?思考は自由に選べるからこそ、選び方によっては心の「フロー状態」を阻害されてしまう危険があります。
そこで、思考の選択の最も一般的なものをお伝えしましょう。それは、「時間」の選択です。
例えば、こんな風に考えてしまいませんか?今シュートを打とうとしながらも、「さっきは、なんで外してしまったのだろう」とか、プレゼンをする前に「うま くいかなかったらどうしよう」など。「今」に比べて「過去」や「未来」の方が範囲が広いから、ついつい「今」以外に思考を飛ばしてしまいがちです。
ところが、過去は変わらないので、「後悔」という感情が生まれ、未来は分からないので、「不安」や「諦め」という感情が生まれ、これらのマイナスの感情は 「今」のセルフイメージを小さくします。だから、思考の選択では、いつも「今」を選べばいいのです。でも、「今」を選ぶのは実は難しい。
常に思考を選択して、今に集中し、今を見つめなければいけない。この思考は、繰り返し、トレーニングする必要があります。今を大切にしている選手の一人、 イチロー選手は、「来年も200本安打打てますか?」と聞くと、まず間違いなくこう答えるでしょう。「別に…」と。そして次の瞬間こう言います。「今する べきことをするだけですから」・・・。
皆さんも、ぜひ「今に生きる」「今という瞬間を選択する」という癖をつけてください。そのために「過去より今」「未来より今」ということを繰り返し自分に言い聞かせ、常時今に生きることが大切です。
第11回 ポジティブシンキング-3
さあ、新年度の始まりです。今回は、結果至上主義で心が揺らいでいる人が多い世の中で、とても大切な、「結果より行動」というポジティブシンキングについてお話ししたいと思います。 私達は、試合の結果やプレゼンの結果など、「結果」に心を囚われてしまいますが、その囚われを無くすための思考法には、スポーツ心理学で言われる「アクションフォーカス」というものがあります。 もしくは「パフォーマンスが結果を生み出しているのだ」というように考えても良いと思います。イチロー選手はこの行動のことを「準備」と呼んでいます。より良い結果が欲しいと思ったら、結果に一喜一憂する前に、常に「準備」に注力する。これは、彼が、《行った「準備」にふさわしい結果しか来ない》と考えているからです。そして彼の言う「準備」とは、ボールにバットがあたる瞬間までの全てを指しているのだと思います。 他方、ボールがバットに当たった後、野手の正面に行こうが、間を抜けようが、後手後手でヒットに抜けようが、それはもう、自分ではコントロール出来ないことです。つまり、「結果」はコントロールできないが、「準備」には注力できる。 ですから、自分自身が今何をするのか、どんなパフォーマンスをするのか、ということを常に考えて、その行動を一生懸命にやる。そういう思考法がポジティブシンキングの極みなのですね。 いつも自分に「結果より行動」と言い聞かせましょう。イチロー流に「結果より準備」でもOKです。そうすれば、次第に結果に揺らぐことが少なくなり、行動や準備に思考が向いてきます。
第12回 ポジティブシンキング-4
みなさん、ポジティブ思考、意識してますか?他人や環境、過去の経験を想起させること・・など、日々どんな状況が起こっても、その瞬間私たちに「思考」という選択肢がぶら下がります。ポジティブか、ネガティブか。どっちの紐を引っ張るかの訓練または習慣が私たち自分自身のセルフイメージを決定していくと言っても過言ではありません。今回ご紹介したいのは、ニューヨークヤンキースの松井秀喜選手のポジティブシンキングです。私からみて彼は「コントロール出来るものと、出来ないものを明確に見極める」ことを日々実践しているように思います。例えば現地のスポーツ記者から「ニューヨークのファンは、日本と違ってとても厳しいですよ」「ちょっと活躍できなかったときにブーイングが出ますよ」と言われたときに、彼はいつも通り「別に」というような表情で、そんな質問には揺らがない雰囲気で、こう答えます。「ファンの反応は私のコントロール外ですから」・・・。さて、皆さんの心が揺らぐ原因を考えてみてください。「環境」・「経験」・「他人」・・・それらのほとんどが、コントロール出来ないものではないでしょうか。コントロール出来ない、すなわち、その瞬間に自分の力では変えられないもの。これに揺らいでいると、いつまでたっても心の揺らぎは続きます。ですが、それらのことが、「自分では変えられないと分かっている」時点で、心が落ち着くケースがあります。つまり「変えられないことが分かっている」ことこそ、「ポジティブシンキング」なのです。まず、コントロール出来ることと、出来ないものを明確に区別し、次に、コントロール出来るもの、変えられるものに注力し行動していきましょう。それでも「変えられないもの」が気になる時は、「どのように変えていくべきか」という、更なるポジティブシンキングを、展開してみてください。皆さんにも、きっと出来ると思います。
第12回 ポジティブシンキング-5
みなさん、今やっていることを「大変ですね」と人から言われ
たとき、「好きでやっていますから」と言えますか?
「好き」を大事にし、「好き」を作り出そうとしている人にはイチロー選手がいます。そう言うと、「イチロー選手は好きな野球を仕
事にしていていいよな」と思う人もいるでしょう。
「好き」を仕事にするには、嫌なことや苦しいことがあっても、「好き」を大事にして残していく努力が必要です。多くの人は、毎日の
ほとんどを費やす仕事の中に、「好き」はないと考えています。
それは「好きだということが大事にされる」ということが今の社会にはないからです。「算数が好き」といえば、「でも計算できないでしょ」と言われ、バスケットが好きでも「好きだけじゃ試合に出られないぞ」と言われたりする。
「好き」は素
晴らしい感情を作り出すのですが、あまり評価されないので、自分から「好き」という感情を封印してしまいます。または別
のところに「好き」を持って行って、その時間によって何とか生きているという状態の人もいるでしょう。
毎日やっている仕
事について何が「好き」か言えますか?
「好き」のポジティブシンキングその1は、「好き」について考え、「好き」を大事にすること。
その2は、どんなことでも「好き」なことを話したり、考えたりすること。自分が話すだけではなく、食べ物、人のタイプ、季節、色など人の好きなことを聞いてみてください。聞くだけでも、セルフイメージが大きくなります。
その3は、「好き」の感情を作り出すために「良いところを見る」こと。
同じものでも、マイナスな部分を見れば「嫌い」という感情が出てくる一方で、良いところを選んでみれば「好き」という感情が生まれます。
「好き」を作り出すのに何もお金はかかりません。ぜひ自分のために「好き」という感情を作りだしていってください。
第13回 与えるこころ
皆さん、こんにちは。前回フォワードする=与えることが、自分自身のセルフイメージを大きくし、結果、自分の機嫌もよくなっていくとお話しました。「与えるこころ」のその1は、「リスペクトする」こと。日本語で言う「尊敬」だけでなく「思いやり」なども含まれています。
「相手をリスペクトすることが自分の元気につながる」と強く主張しているのは、バスケットボールのスーパースター、マイケルジョータ゛ンです。彼がNBAを引退する時に、多くの子供たち、多くの人たちに伝えたいことは、「『リスペクトマインド』を持って生きることが、人生のあらゆる場面で自分のためになっていく」ということであると言いました。彼か゛プレーヤーとして、人生を向上していく中で「リスペクト」はとても重要な姿勢だったのだと思います。
私たちの日常生活は、どんな状況でも自分の周りに人がいます。その人たちに対して、「リスペクトマインドを持って」接することが、実は自分自身の生活を豊かにしていく。つまりは、セルフイメージを大きくし、自分らしく生きていくことが出来るということを今一度、考えてみてほしいと思います。そして是非、今日、今という時間から、「リスペクトマインド」を持って周りの人に接していきましょう。
第14回 与えるこころ-2
「与えるこころ」その2は「応援するこころ」です。ゴルフのタイガーウッズ選手はインタビューでこう答えています。
例えば、優勝賞金5千万円の試合で、自分は先に9アンダーでホールアウトしている時、ライバルが同じ9アンダーで最終ホール18番のグリーンにやってきて、3メートルのバーディーパットを残しているとします。入ればライバルが10アンダーになって優勝。外せば、同じ9アンダーでプレーオフです。「その時もっとも自分のためになる思考法はなにか」。
みなさんだったらどうですか?相手にマイナスのパワーを送って、「外せ!」と祈ってしまったりするのではないでしょうか。タイガーウッズはその時、「こころから応援する」と言っていました。その理由を彼なりに理論的に回答していました。「相手のパットは入るか入らないかしかない。マイナスなパワーを送っていると、入ってしまったときにがっかりする。がっかりして損するのは自分だけである」と。
「がっかり」という状態は相手に飲み込まれて、セルフイメージが小さくなった状態です。もうひとつ、マイナスなパワーを送って相手が入ってしまうと、もっとマイナスなパワーを送ればよかったのではないかと思ってしまう弱い自分がいることが嫌である。嫌だということ自体が自分のセルフイメージを小さくすると言っています。また、本当に重要なのは、自分が10アンダーにすることであり、そのためには今何を準備するかということに意味があるのに、マイナスのパワーを送ることで自分の意識は相手に行ってしまうため、自己成長を妨げるのだと。
もう一つは、相手のパターが外れたとき。マイナスのパワーを送って「外せ」と思っていた時と、「頑張ってほしいな」と応援のモードでいた時では、相手のパターが外れた場合、こころから応援した時の方が自分の気分がいいと言っています。
つまり、自分のセルフイメージがいい、すなわち自分のパフォーマンスにつながり、プレーオフの時の第1打目のティーショットにも影響すると。「応援するこころ」つまり、人に見返りなく応援することは、自分のこころのエネルギーに非常にプラスになるんですね。皆さんも「応援マインド」を日常やビジネスシーンにぜひ活かしてください。
第15回 与えるこころ-3
与えるこころの3回目は「感謝する」です。それは、「こちらがこんなに感謝しているのに、その態度はなんだ!」というような相手からの見返りを期待するための行動ではありません。自分の感謝によって、相手が元気になってくれたことにより、こちらも元気になるというのは、マイナスではありませんが、それが主ではなく、与えることで自分が元気になるという法則です。
女子マラソンの高橋尚子選手は、常に沿道の人に「ありがとう」を言いながら走り、「感謝の念」で自分のパフォーマンスを高めている選手の代表です。
例えば、30km付近で、ライバルと競り合っているとき、「くそ!こんなやつに負けるか!」という闘志が大事だとよく言われますが、彼女の場合は、たとえそういう気持ちがあったとしても、その上で自分は何をするのかを考え、ライバルに対して「あなたのおかげでこんなにも楽しんで、大好きなマラソンが出来る、ありがとう」と何度も心の中でつぶやくそうです。
実際、医学的にも「くそ!このやろう!」と思えば思うほど、血圧を上げて、血管を収縮してパフォーマンスを下げるノルアドレナリンというホルモンがどんどん上昇します。一方で、「ありがとう」と言うことにより、セロトニンという人間のパフォーマンスを向上させる素晴らしい脳内部質が分泌します。高橋選手は、感謝することにより、自分のセルフイメージが上がって、心のエネルギーが高まり、パフォーマンスが向上するということをよく知っていて、実践しているのです。
ぜひ、皆さんも、自分のこころのために、「ありがとう」という言葉や感謝の気持ちを持っていただきたいなと思います。
