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第12回 COACH力のある親になろう! 2010/3/1

親にこそ、子どもの「生き抜く力」を伸ばす「コーチ力」が必要なのです。
様々なスポーツのコーチから体験的に私自身が学んできたコーチ力とはいったいどのようなものなのでしょうか。「COACH」の5つの文字を使って定義づけています。

第11回 「セルフイメージ」を大きくできる人、できない人 2010/2/1

本番で自分らしく力を発揮する選手は、心・技・体のバランスが非常に良いと考えられます。練習して体を鍛えたり、技を磨いて競技力を向上させることは多くの選手が実行しますが、心の力ともいえる「セルフイメージ」の存在を知っている選手、あるいはそれを磨いている選手は少ないと言わざるをえません。
セルフイメージは影響因子により大きくなったり小さくなったりします。
この影響因子としては、環境・経験・他人、そして自分自身です。
環境や経験にや人に左右されることなく、自分自身で「セルフイメージ」を保てる力を「メンタルタフネス」と呼んでいます。
「セルフイメージ」に影響する環境や経験を与える人は、子どもの場合、間違いなく親です。子どもが自分らしく生き、輝けるように、「セルフイメージ」を大きくする力を「コーチ力」と私は呼んでいます。「セルフイメージ」を大きく育てるということは、自分の一番へと導くことなのです。

第10回 人間として育つことこそが勝ちにつながる 2010/1/1

忘れてはいけないのは、本来、スポーツはバランスの良い人、人間として成熟した人を作るものだということです。自分で考え自分で判断して自分で行動を起こし、自ら心を鍛えることを怠らなかった人間ならば、たとえ勝利を逃したとしても、自分の中には勝利以上の大切なものが残ります。これこそが人間としての大きな目標です。スポーツに限らずさまざまな経験を通じ、自らの力で自分を磨いた人間こそが、自分の人生にふさわしい「生き抜く力」を手に入れることができるのではないでしょうか。
スポーツの世界で用いる「コーチ」という言葉は、その人が行きたいところに、より安全に、早く、確実に連れて行ってあげる人のことをさします。したがって真のコーチは、その人のために、その人を育て、その人に本当にふさわしい結果をもたらそうと努力する人です。そういう意味では、親こそ真のコーチとなりえるでしょう。

第9回 根性論では結果としての勝利さえおぼつかない 2009/12/11

さて、スポーツ選手は試合に出場する以上、全員が勝利を目指します。これは当然のことです。しかし、どのような試合や大会でも、最後まで勝ち残れるのは1人だけ。それでもスポーツに打ち込むのは、勝利よりも大切なものがある~のはずです。
しかし中には、「勝たなくては意味がない」「勝つための練習しかしない」とげきを飛ばす指導者とそれに従う選手がいます。彼らには負けたときには何も残らない。 スポーツというものを単純に勝か負けるかという視点でとらえるから、こうした間違いにいつまでも気づかないのです。
なぜ子のスポーツを選んだのか、スポーツをすることで何を見つけたいのか、何を表現したいのか…など、より深く考えてみれば、大切なものを見失わなくてもすむのです。

第8回 耐えるための根性ではなくて 2009/11/1

私たちが生きていく上で欠かすことのできないものの中に、「アイデンティティの主張」があります。
選手として自分が情熱を持ってプレーし、それが満足できる自己表現であれば、それは間違いなくアイデンティティを主張したことになります。しかし、たとえ自分自身は選手でなくても、選手を支える力になっているということも自己表現であり、アイデンティティです。
ただし、プレーヤーであれサポーターであれ、マネージャーであれ、最高の自己表現をしていくためには、情熱と共に、追い求めていくパワーが不可欠です。
そのパワーのことを、根性と言い換えてもいいかもしれません。つらさに耐えるための根性はもう古い。しかし、自分が向上するための根性は必要です。その根性はけっしてスポーツのためにだけあるのではありません。その子どもらしく人生を生き抜くためになくてはならないもの-それは耐えるための根性ではなく向上するための根性なのだと言いたい。

第7回 金メダルチームを率いるラ・ソーダ監督の珠玉の言葉 2009/10/1

2000年に開催されたシドニーオリンピックの野球で金メダルを獲得したアメリカのチーム を率いていたのは、大リーグ・ロサンゼルス・ドジャースのラ・ソーダ元監督。その画期的な指導法によって育てられた選手たちは、人間的に一回りもふたまわりも大きな成長を果たしています。
監督はこんな談話を残しています。
「野球というのは、勝ち負けを決めるのが目的ではない。野球場は競技場ではなく、ボールパーク、つまり遊ぶ場所である。だから楽しい場所でなくてはならない。私たちは楽しいことの中でこそ成長していくのだ。ただし練習が厳しいのは当たり前で、厳しさなくして変化はない。その厳しさを喜びとしていかなければならない」
人生も同じです。選手たちはみな幸せそうで、スピーカーから響く監督の「私たちは野球を心から愛している」といったような言葉の数々に笑顔でうなずいています。これが世界一のチームを率いる監督の姿なのだなぁと感心させられたものです。

第6回 『巨人の星』的な根性物語 2009/9/1

今のスポーツ界の中核をなしているのは、ほとんどがこの『巨人の星』に夢中になった世代です。
ひたすら辛さに耐える飛雄馬を支持し、スポーツとはこうあるべきだと植えつけられた世代なのです。
スポーツドクターの立場から『巨人の星』について改めて考えてみますと、飛雄馬はほんとうに野球を楽しんでいたのだろうか、体を痛めつけてまで得たものはいったい何なのだろう、スポーツを通じてよい習慣となったり成長したものはあったのだろうか…等の疑問が次々にわいてくるわけです。
今よりも向上していくためには、もちろん厳しさは必要です。しかしその厳しさがつらさばかりを生み出すのなら、スポーツをする心は次第に先細ってしまいます。心も体も疲れは手、自分自身ンお成長や変化につながってはいかないでしょう。
つまり、そんなスポーツでは「生き抜く力」はとても育たないのです。

第5回 感情のコントロール力をつけよう 2009/8/1

スポーツは、考える力や感じる心を育てます。すなわち、IQやEQにも働きかけるのです。
勉強なら目標の大学を決めれば、そのために何をやらなければならないのか、何が足りないのかなど比較的明確になっています。
ところがスポーツは自分で目標の意味からそのための手段や方法まで、すべて考えて活動しなければなりません。これほど考える力すなわちIQにつながる力がつくものもないでしょう。
また、スポーツは感情も育てます。スポーツは相手やボール、自分が常に見えていなければなりません。敵とぶつかりあいながら、己を知り、戦う方を考えます。スポーツほど五感すべてに働きかける活動は少ないのです。
心に生じるさまざまな感情をいかにコントロールし、行動としてあらわして結果に結び付けるか。自分らしさを追及する過程で、スポーツは感情のコントロール力などのEQの必要性を無視できないのです。
心の知能指数、徳育がなければ、スポーツで結果を出すこともできないのです。

第4回 バランスのいい人間像をイメージしてみる 2009/7/1

IQやEQという言葉は、おそらくみなさんご存知でしょう。IQは知能指数、EQは心の知能指数あるいは感情指数と呼ばれるものです。
私はこの2つに、PQを加えたいと思っています。
PQは私が提起している言葉ですが、「身体元気指数」のようなものです。つまり知育・徳育・体育をすべてバランスよく学ぶことがQOL向上になるのです。
私たちは社会の中で生きているのですから、社会の中で自分をいかに表現すればいいのか、どうすれば自分の一番を目指せるかということに目を向けていなくてはなりません。そのためにも、自分を人間としてバランスよく全体的にとらえることが必要だと言えるでしょう。
「バランスが大切」ということを知らない人はいません。
しかし、とかく自分のことであったり、子どものこととなると、知っているのに忘れてしまっているということがあります。IQ・EQ・PQのバランスであったり、心・技・体のバランスであったり、徳育・知育・体育のバランスであったり。
「生き抜く力」のためのさまざまなバランスについて、ぜひこの機会に考えてみてほしいのです。

第3回 自分らしいQOLを手に入れよう 2009/6/1

スポーツには必ず激しい練習や厳しい上下関係があって、かつ厳格な規律のもとに行 われるという、涙と汗と忍耐なくしてはできないような暗いイメージです。しかし、 本来のスポーツには、私たちのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を向上させ、「生 き抜く力」を育てる要素がたくさん含まれているのです。

ここで私がつかったクオリティ・オブ・ライフという言葉は、人間が生き抜く上でこ れからの新しいテーマだと考えていますQOLにふさわしい日本語はありませんが、「自 覚的幸福感」というようなイメージだと思っています。すなわち、データや数値で証 明されたその人の客観的な充実度指標ではなく、本人自身がどのように感じ、とらえ ているのかという思いです。

QOLとはすなわち自分の一番を感じることです。他人と比べたり絶対的評価から存在 するものではなく、一人一人に依存するものです。したがって、自分らしいいQOLを 手に入れることが「生き抜くこと」に他ならないというのが、私の思いでもありま す。

第2回 スポーツこそ心・頭・身体を同時に成長させる 2009/5/2

私は、日々様々なスポーツ選手やチームをサポートしております。
そして、チームを 育て選手を育てるためのありとあらゆる考え方、方法、環境の中に親が子供の「生き 抜く力」を育てるために必要なものが凝縮されていることを感じています。

たとえばサッカーでシュートを外したり、野球で三振したとしても、クヨクヨせず 「今度こそ」とポジティブに考えられることは、その子が生きていくうえで大切な考 え方の一つになるはずです。

スポーツには心・頭・身体を同時に育てるヒントがあります。
日本には子どもの成長 を、徳育は倫理やボランティアで、知育は勉強や読書によって、そして体育はスポー ツで行うというどこかおかしな発想があります。しかし、子供が将来社会で生き抜い ていくためには、心も頭も体もどれも同じように、自分にとっての一番となるように 育てていきたいのではないでしょうか?

第1回 親は自分自身を省みよう 2009/4/6

こどもが大人になって、社会の中で自分らしく生き抜いてほしいと思うのは、万国共 通の親の願いです。親として大人として 何ができるだろうかという試行錯誤は、お そらく大昔から続いていることでしょう。だからこそ、親は子育てをしながら、悩ん だり、戸惑ったり、あたふたしてしまったりするのでしょう。

たとえば、学校の成績をよくして立派な会社に入り、立派な社会人になってほしい と願うあまりに、学校のテスト前に「いい点数を取ったらディズニーランドに連れて 行ってあげるよ」などといって、もので“つってしまう”ようなことはありません か?
一番大切なことは、テストでいい点数を取ることそれ自体ではなく、まずは子供た ちに、難しい問題が解けた時の喜びや、これまでよりいい点数をとれた時の達成感と いった「生き抜く力」の芽を教えることであるはずです。子ども自身が変化し成長し ていくことに親が気付かせてあげることが、何よりも大切なのです。


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